「恋する乙女と守護の楯 Re:boot The “SHIELD-9″」プレイ感想
AXL社より2007年に発売された「恋する乙女と守護の楯」を元に、GIGA Team AIGISにてリメイクされたのが今作。タイトルのRe:bootが示唆したように、画面のHD化や絵の新規描き下ろし、シナリオ一部を現代背景に合わせて加筆・修正、さらに個別ルートのシナリオ追加もあり。ちなみに続編となる「恋する乙女と守護の楯~薔薇の聖母~」も存在するが、そっちは未プレイ。主人公が誰とも結ばれなかったifルートで新しい潜入先の女子校が舞台となるストーリーで、ヒロインも全員新キャラなので、正直興味がいまいち。
狙いは設子√ですが、隠しヒロインである設子√に入るためにはメインヒロイン3人の内、最低でも1人を攻略するのが条件なので、一応雪乃√もプレイした。蓮、鞠奈、有里√は未プレイ。
共通√はそこそこ好感触。ガード任務のために主人公が女装して女子校に潜入する話、所謂女装モノの定番で今時ありふれた設定ではあるが、初版の発売時代を考えると納得。リメイクの際に時代設定も考えてくれた様で、スマホやSNSなどの要素を取り入れて現代風に仕上げた。戦闘シーンは演出こそしょぼいが、敵キャラが濃いためか(特に某男色家教師)割と印象に残る。また女装がバレる前にヒロイン達とお風呂やマサージなどのサービスシーンもきちんと備えており、全体的に悪くない出来と言えるだろう。
雪乃√は共通パートに比べてボリューム少なく、ある意味王道ではあるが、先が読めるストーリーにいまいち味に欠ける感じが否めない。ぶっちゃけ雪乃の高飛車お嬢様の性格がウザく感じる場面もしばしば。
雪乃が表ヒロインに対して、設子は裏ヒロイン的な立ち位置で、ある意味真ヒロインとも言える。主人公と似てる境遇を持ちながらも相反する位置にいる彼女は主人公が言うように「もう一人の自分」であり、合わせ鏡のような存在。女装モノの醍醐味は主人公の「ギャップ」にあり、このルートでは主人公だけでなく、設子のギャップも楽しむことができる。清楚で物腰が柔らかい、心優しいオアシス的な存在、からのあの変貌っぷりにやられたのは俺だけじゃないはず。しかし蓋を開けて見れば、最初からやたらと伏線が張られたことに気付く。
一つ不満を挙げると、本来終わって良いはずの所で終わらず、ストーリーを進行し続けたこと、プレイ当時に蛇足気味と感じたが、後で調べてたところリメイクで新規追加されたシナリオだと判明。要は「デレる設子をもっと見たい」と言う原作ファン向けのアフターストーリー的な要素らしい。
全体的評価は【★★★☆☆】。